越前 木槽(きぶね)搾り

 

 

 木槽(ぶね)搾りとは。。。。。


   新酒を搾るために、木で出来た旧式の搾り機を使用するやり方のことですが、
  大変手間がかかりますので、使用している酒蔵も少なくなっています。
 


   舞美人では、木でできた木槽(きぶね)を普通酒から大吟醸に至るまで、 
  すべてのお酒を木槽(きぶね)で搾っています。
 


   もろみを酒袋に詰めてから、新酒を搾りきるまで約3日間かかり、熟練した技と
  時間と手間がかかります。
 


   そのおかげで、もろみを搾りすぎないために、雑味の少ない繊細なお酒を醸す
  事ができます。舞美人にとって、一番の宝物であり自慢の道具です。

 


 

  
  
舞美人の木槽搾り 手順 
 
 
1、もろみを酒袋にいれます。

 仕込みタンクから、ポンプで運ばれてきたもろみ(酒母に水、麹、蒸米を仕込んだもので、清酒の母体となるもの)を酒袋の中に入れる作業です。
 


 入れるもろみの量はを入れすぎたりすると、搾る際に酒袋が破裂しますし、少なすぎると搾った後の酒粕の出来に影響がでます。
 

  

 

 

 

 
2、酒袋を木槽に並べます。 
 酒袋を、一つ一つ丁寧に並べていきます。口は、何かで止めてあるのではなく、下に折り曲げてあるだけですが、不思議と中身は出てきません。
 
 袋取りと呼ばれる作業です。
 
 蔵元杜氏の技が発揮されます。

 

 

 

 
3.どんどん酒袋を積み上げます 
 きれいに、どんどんどんどん積み上げていきます。

 

 

 

 
4.一袋ずつ丁寧に 

 1~3までの作業をを、繰り返し繰り返し続けます。


 もろみは水分が多いので、一袋はかなりの重量です。


 積み上げる時には酒袋を持ってかがむので、かなりの重労働です。
 


 1度に搾る量のすべてを、酒袋に入れ終えた頃には、木槽(きぶね)の上まで積みあがります。

 

 ここまでくると、重みで槽口(ふなくち)からちょろちょろと新酒が出始めます。蔵に新酒の香りが立ち込め、造り手として嬉しい瞬間です。
 

 

 

 

 

 
5.ふたをかぶせます。 

 

 木槽(きぶね)の蓋を積み上げた酒袋の上にせます。

 これが相当重いです。大人が3人で持つのがやっとですが、そのおかげでのせた瞬間から、新酒が勢いよく出てきます。

 

 

 

 

 
 木槽(きぶね)の槽口(ふなくち)です。

 出ていたばかりの新酒を、ここからすくって飲むと、最高の美味しさです。

 

 

 

 
6.圧力をかける 

 

 蓋の上に、非常に重い木片をいくつも積み上げ、その上から油圧による圧力をかけます。

 

 その時、「ゴンゴンゴン」という多きな音がするのですが、舞美人の酒蔵の名物になっています。搾っている間は、常に異常がないか緊張しています。


 圧力をかけてやると、再び勢いよく新酒が出てきます。

 

 酒袋のもろみの量や、積み具合などが悪いと、中で破裂しもろみが蔵の天井まで、飛び散ってしまいす。

 

 
  
  

   

 

 木槽(きぶね)搾りをするためには、どの作業一つとっても手を抜けるところはありません。ですが、大吟醸や鑑評会用のお酒など高級酒の搾りにはこの木槽(きぶね)使用しているという酒蔵さんもあるぐらい、その実力は認められています。

 


 舞美人では、高級酒のみではなく普通酒などの日常酒すべてに使用しています。

 


 長い時間と熟練した技術、そして重労働。ですがそれに見合う価値のある道具だと思います。
舞美人はこの木でできた木槽(きぶね)とともに、お酒を醸し続けていきます。

 

 

 

 

メンテナンスには柿渋を使用しています。

毎年塗り重ねることで、見た目もあめ色に美しく輝きます。